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お色気と笑い話1



 洋の東西を問わず笑い話としての小話は、お色気の話と密着な関係にあるようです。人は皆、性に関してはどこかに覗き見的な嗜好性と独自の異常性を持っているのですが、お色気にまつわる笑い話は、そうした内に秘めた独自の嗜好性や異常性を満足させ、実際の行動には結びつけない一つの安全弁としての働きを持っているように感じます。お色気笑い話を読むことによって、自分の衝動を転化し浄化する働きがあるのかも知れません。

 殿さま、家来をひそかに呼び、
「おれは、くだんのやりかたを知らぬが」
と、おおせければ、
家来 「では、ご指南もうしあげましょう」
「そんなら教えてくれ」
家来 「さようならば御前は恐れながら、物かげよりごらんあそばしませ」
と、屏風を立て、その陰に殿おすわりあり、屏風のこちらにて、十四,五なるお腰元を呼びだし、御意なりと言い聞かせて、殿に見えるようにいたせど、まだはじめてのことゆえ、思うようにならず、たびたび指につばをつける。
 ・・・殿つくづくごらんあって、
「なにもかも知れたが、ときどきひろって食うものはなんじゃ」


 これなども読者の覗き見的な嗜好性を満足させ、笑うことでモヤモヤとした衝動を浄化させて解放させる働きがあります。お色気笑い話はまさに私たちの心の健康を保ってくれています。

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