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お色気小咄 21


そのはず

 若い、美しい娘と、ハンサムな農家の青年が山道を歩いていた。青年は大きな桶を背負い、片手に鶏を抱え、別の手に杖と、一匹の山羊をつないだ縄をもって歩いている。二人は、薄暗い森の小道にはいった。

娘が言った。
「こんな所を、あなたと歩くのこわいわ。あなたは、あたしにキスするかもしれないんだもの」
純朴そうな青年が、苦笑した。
「どうして、ぼくがキスなどできるんだい?両手がふさがっているし、背中には、桶をかついでいるしさ」
「できるわよ。その桶をさかさまに下へおろして、鶏を中に入れちゃうのよ。それから、山羊は、杖にゆわえつけて、逃げないようになさいよ。ね、そうでしょう?」

アメリカ小咄

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