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お色気小咄 3



『のみ と しらみ』

 「おめぇのほうにもいろいろあるだろう?」
 「ああ、俺ァほんの二,三日前よ、あぶなくいのちびろいをしたばかりよ」
 「へえ、どうしたい?」
 「まァ、きいてくれ。湯ゥ屋でひょいと取っついた着物の女がよ、随分色の白い餅肌のいい女だ」
 「うまくやりやァがったな。で、どうしたい?」

 「上のほうから下のほうへと、だんだん這ってゆくてえと、やがて草むらん中へ入り込んじゃった。草むらてえより、ありゃァ森だな・・・」
 「ほう、ほう・・・」
 「森をやっとこさ抜けて、しばらく行くてえと、こんだァ沼みてえなところへ出て、そこから生あったかい水みてえなものが、ペチャペチャと出ているんだ・・・」
 「ほう、ほう・・・」
 「そこを渡るにゃァ、俺の体じゃ広すぎる。でも土手があるから、さて、右回りにしようか左回りにしようかと、考えてるところへ、おめえ!」
 「急に大きな声をしたな、どうしたい?」

 「そこへ、大入道だ。物凄い大入道が、いきなり立ちゃァがって、頭から体ごとその沼の中へ、『こんにちは』も言わねえで、ズブッと突っ込んで来やがった。いやァ、おどろいたのなんの・・・。入ったと思ったら、こんどはすぐもどって来やがった。入ってもどって、入っては出る・・・そんなことをしばらくくりかえしているうちに、沼の水かさがドーッと増して来た」

 「洪水だな、そりゃァ。逃げねえと危ないぜ」
 「逃げようと思ってもおめえ、水で足ァ取られる、体ァ押し流される。おまけにこちとらァ、泳ぎは苦手と来てるから、水の中でアップアップ・・・。こりゃァ、とてもダメだ、神さま仏さまとおがんだ途端・・・・」
 「どうしたい?」
 「うん、紙(神)のおかげで、助かった」

定本艶笑落語 小島貞二編より

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